大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)5241 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人桜井忠男の上告趣意について。

第一審第一回公判調書を見ると、検察官は本件公訴犯罪事実に関し司法警察員作

成の現行犯人逮捕手続書等(一)乃至(五)の証拠と同時に(六)因司法警察員に

対する被告人の第一回供述調書(七)検察官事務取扱検察事務官に対する被告人の

供述調書及び(八)検察官に対する被告人の弁解録取書の取調請求をなしたところ

(右の三通の供述調書類はいずれも刑訴三〇一条に定める、被告人の供述が自白で

ある書類である)、被告人及び弁護人は「右検察官の証拠申請について異議はなく、

旦つ書類を証拠とすることに同意する」と述べ、裁判官の証拠採用の決定にもとず

き検察官は請求の順序に従つて順次朗読した旨の記載があつて、以上の各自白調書

は(一)乃至(五)の証拠を取り調べた後に取り調べられたことが明かに窺われる

のである。従つて、所論のように自白調書が他の証拠と同時に取り調べられたので

はないのであるから、何等、その訴訟手続は刑訴三〇一条の趣意に反するものでは

なく(昭和二五年(あ)八五六号、同二六年六月一日第二小法廷決定。判例集五巻

七号一二三二頁以下参照)、また同条違反を前提とする憲法三八条違反も成立しえ

ないことは明瞭である。

次に原審は自白調書のほかに、補強証拠を掲げており、これらの証拠を綜合する

と判示事実は充分に認められるのであるから原判決は憲法三八条三項に違反しない。

論旨はいずれも理由がない。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

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る。

昭和二八年五月一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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